厳選!路傍遺産を詩と写真と地図で紹介


赤川鉄橋(あかがわてっきょう) ----城東貨物線赤川鉄橋

「赤川鉄橋」

リズミカルに編み込まれた鉄と木の腕を張って両岸を掴み、幾本の脚を踏ん張ってる構造物は、巨大な淀川のパワーを気にも止めず、飾らず語らず奢らず長い時間を立ち続けて来た。 併設の赤川仮橋を自転車が止めどもない程に木板の連続音を積んで接近しては遠ざかり渡りまくって行く。顔の無い住人たちと行き交う・・・インターネットと同じや。来し方、行末のことなど互いに知るよしもない。 ・・・・・・・ほどなくこの歩行者・自転車用仮橋は廃されるらしい。 赤いディーゼルに牽かれて尽きない長さの幻の貨車が眠れぬ都会の広大な街並みに掛かる僅かな朝靄をくぐって現れる・・・か。・・・12歳の少年にとって、その汽車はブリキの玩具、操車場をゆっくり体をくねらせながら泳ぎ回る紅鯉、牧場で働いてる牧羊犬たち。 坂ノ上の2階屋の窓。 その窓下に、一群れのマサ木の濃い紫緑の大扇が裾を直っすぐな細い路地に沿って横へ拡げ、高台ゆえの手掛かりなく落ち静む虚空と斜面に張り付き並ぶ家並みとの間仕切りとなってくれている。 窓ガラスの外の水色ペンキの木柵に両手を突っぱって身を支えながら見下ろした遠景の器の底にある国鉄の地方駅、終着駅の引き込み線路の絡み合う処の朝靄に透ける薄明かりの中にも、それ(赤いディーゼル)は居た。 未来を描くこともできず、一方では容易に忘れ、多くの時間を浪費してきたのに、忘れ得ぬ1コマを繰返しメモリー再生して反芻してしまっている。特に黄昏時には、消えいるようなすさんだ不安感を鎮めてくれる1コマまで早回ししてしまう。


写真1

写真2

写真3


「まちかど案内 まちづくり地図」の地図で見る
Yahoo StaticMapの地図で見る
MAPFANの地図で見る
Google携帯地図検索へ送った地図で見る
(上と同じこと)Google携帯地図検索でいきなり見る
Google Static Maps で見る
「昭文社」の地図 旗付きマップで見る

[9]戻る