厳選!路傍遺産を詩と写真と地図で紹介


椋ヶ根橋(くらがねばし) ----枚岡山(ひらおかやま)・額田山(ぬかたやま)

「椋ヶ根橋」

枚岡公園または枚岡緑地の散策の真ん中、ヘソのような地点。
避け難い死期の在る事を人間以外は知らない。次の芽吹きの有りや無しやに頓着せず、生を謳歌することへの執着、煌びやかな自己主張として燃えて枯れて舞い散る訳は、尖った梢の先に残った最後という言葉なんて一枚の葉っぱよりも軽いことを自然は知っているから。
紅葉の揺らぐ火花、冷たい白霞み、日陰に映る枝針の緊張、常緑樹の緑の微香、近づく真冬を鑑賞させてくれるレトロな映写機が据えられて在る処。映像なのに写真。紅葉を浮かべた谷川の水面の薄い陽陰に我が身を震わせる刹那の静止画。 
望見すれば、清冽な誉め言葉を吐く間もなく、色彩に瞳がさえずる程の感傷の膨張が止まらない。 

ここの道を登れば暗峠(くらがりとうげ)、 うっそうと茂る樹々で暗い坂道が続くとか、馬の鞍が返る程の急坂であるとか とにかく上がれば奈良・伊勢街道へ通じてゆく。かの松尾芭蕉も二度目の伊勢参りの帰りに ここを通って、逝去の地である大阪へ・・・らしい。


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