(この作品はエッセイムです。エッセイとポエムの中間です。)

 
  「倦煙のすすめ」

(1編)
お上よりの禁煙のかけ声には世の喫煙衆たちは無力な倦怠を覚えるようになった今日この頃、
この危機の時代に何かに学び、新しい生き方や美学を模索する者も増えて来るだろう。
福沢諭吉の名著「学問のススメ」の響きは逆に学問を嫌悪させることにも貢献したであろうから、
タイトルを「喫煙のススメ」として逆に嫌煙を助長するようなことになるのも良くないし、
禁煙したいのかと悪戯に誤解を生む危惧の念を抱いたので、
「倦煙」の意味は何ぞやとか、とやかく言わずに
芳しい曖昧の香りのする「倦煙のすすめ」というタイトルにしておこう。
天は人の上に人を造らず、人の下に・・・明治と平成の距離感を打ち払う程に
昭和の我らは平等という言葉を常に懐にして生存競争を乗り切って来たのである。
しかし今、吸うか吸わぬかの差別の踏絵の前で廊下の立たされ坊主と成り果ててしまった。
かつての専売公社は国・政府と訣別し自立したのではなかったのか、日本たばこ産業JTは一体何をしとる、
文明開化しとらんのか、諭吉の啓蒙した日本のアイデンティティを失ったのか、
独立自尊の気運は無いのか、何故もっと値上げ反対せんのか。

(2編)
喫煙の功罪の「功」なる点を一杯想起してみるが、
どれも空しい言い訳のようである。
まず、そうして急遽、手裏を返して白旗を打ち振ろう。
下々の民は露骨に両手を上げて賛同しよう。
禁煙によって国民は健康になり医療費が削減される、
それは将来のことやろか、みんな高齢化?長生きするってことでもあるな〜、
健康保険で禁煙なんてもってのほか。
黒船の蒸気は煤煙か、たったナナハイ、肺ってか、
国民を不安と恐怖に落とし入れる御ふれに夜も眠れず自分で考えろってか。
別にお上と対決する気力・知力・体力も無いが、凡人には何ともおぼろげなテーゼ。
海外渡航、文明開化、発想の転換、大日如来が怒りの不動明王に転化するぞ、アンチ・テーゼ!叫ぶ
明治の人も煙草入れ腰に提げてたやろ、タバコは休息の十分条件、労働の必要条件だ。
欧米がどうあろうが他人にへつらうな、卑屈になるな、元気快活な処世術を謳ってススメ、
人は世につれ煙草に連れ、人同士の交流の潤滑油にもなるタバコの功を忘れるな。

(3編)
嗜好品の棚から贅沢品のショーケースに飾られるタバコ。
趣味は・・・たばこ・・・位としか言えないような小者にとっては
無謀な値上げは傷口や弱点をピンポイントで攻められる大打撃です。
やっぱ逆療法で、
タバコ代の4百円をお金持ちの玄関先でわざと落とす。
まず、そのくやしさを実感してから。
吸うのをガマンするのは困難だがタバコを買うのを惜しむことは実現可能性が高い。
モッタイナ〜イと銭を出し渋るだけでいいのだから。
そうなると一箱1000円にもして欲しい。
黒の横長のチャックの小銭入れから絶対に銭は出さんぞ。
さらにさらに、パイプやハマキは少々高価で
自らの貧粗な生活スタイルには登場し得ない現実を恨め、
羨望のまなざしを何処に向けようと何も解決されん。
絶え難い恥辱的人生の現実と納得し反発力として利用しよう。
必ず匂い来る一箱千円の未来を目前にして、
遠い過去をさかのぼっても自らの人生設計に、金銭理由で
タバコを吸うかヤメルかの相克の時代は予定されていなかったのに
現実はキビシィ〜〜、大転換を憎むか、憎しみのニは忍のニ。
オヤジの可処分所得−>減−>浪費−>減−>バブル再来の期待−>減
−>まぁ失意に打ちひしがれてケチ臭く暮らせば本数は減るさ。
高価なタバコは18歳未満の喫煙を防止することにもなる?
減ラヘンワ!ただのオヤジ狩り的値上げだ。
貧乏教諭が不良生徒のカバンからモクを一箱盗んだってか・・・完全無罪!
待てよ、未成年喫煙言うたな・・・
タバコは二十歳から。とにかく凡庸なる親爺は青少年よりも先に排斥されるのだ。
若ければ、自己更新して勇気・気概・心得を学び直すこともできようが、
人生の飴壷にたっぷりなヘソクリなど隠している筈もなく、
とっくの昔に既に社会での実学を修了した身に論語読みの論語知らずのそしりを受けても
品行方正な大人に転生するための実学の機会さえも見出せそうに無い。
三島の輪廻転生、あり、なら耳を澄ませばいい、
隣の白猫が早く俺と替われミャ〜ミャ〜と鳴いている。
人生がつまらないと思う奴はすぐ替われ替われと。

(4編)
住んでるすぐ傍の街路や店屋や駅前で吸殻を本気で探す。
自分の部屋にある灰皿の吸殻や壁のヤニは許せてしまうが、
近所が汚いのは許せない。吸殻を拾う自分を思い浮かべる。
むかしむかし、駅のホームと線路の隙間に高度成長の夢の汚物の灰墟がありました。
石庭の白が長く連なって所々で紫煙が狼煙となってたなびいております。
見たいものが煙に遮られて目が重くチカチカする。
大量の吸殻は駅の貝塚となります。
魚網の団塊は大漁の小魚の白い銀輪をスモッグの都会の空へ舞いきらめかせている。
ピンク色の胸の中で灰色の煙が渦を巻いてる。
それは喫煙者の文化だった。非喫煙者は文明の外に潜んでいたに過ぎん。
そんなアリサマでした。
ワタシはそのシーンでマナーの悪い卑怯千万なエキストラの一人でした。
マナーとか、分煙とか、喫煙室とかは大迷惑なものだ。
仕事の合間に一本は功がある、なんか思い出したり思い付いたりする。
ほんま世にある趣味や道楽を全て並べてもタバコに替わるものは思い付かん。
そんなん肯定する理由にもならんか、
なら、社内もどんな建物も敷地も乗り物も皆んな完全禁煙にしてくれ!
本気でそう思うよ、
社長も〜長も、エライさんやボンボンも生まれながらにして平等の筋を通せよ。
幸福のシャワーの下で自分が裸で浴びてることを再認識せよ。
豪邸の庭にも団地のベランダのプランターにも同じ種類の花なら同格、
その所作までは見えなくとも同じ流儀作法の立ち姿だ。
聖地への巡礼の道にもコンビナートのタンプカーのわだちにも生える草は緑だ。
お前はいつから自分なの?
精子の選択から、xy染色体DNAの組み合わせから、性別がもし違ってたらそれも自分だったろうか。
お前はミトコンドリアの集合体、蜂や蟻、ミトコンドリアの棲家こそお前。
我も有り我も思う、誰も我。最初の我は今の我、いつから?存在は物質、我を混ぜ込む余地なんか無いよ。
いや混沌の集合体、境目は無い、水か気体か泡のような境界の無い何やねん。
目的あるのか無いのか、始めと終わりを知りたい、知ればそれを命の一括りとしよう、百年?億年?
みんな命は生まれたままのいさぎよさなのだから、この位の筋をとおすのは容易かろう。
貴賎の差などに泣かされず、流れにサオ挿せよ。
しん吟せよ、同じ試練を背負えと!!!

(5編)
普通、飲食、遊興、くされ縁、ピンキリまである愛のため、
など日常で結構むやみな金をつかう。
地球の半径が煙草一本分の長さ拡大しても
地球の円周は4万km+大根の長さにしか増えないので、
たばこ代の増加は大きな円周の僅かな膨らみに過ぎずボ〜と気づかない人もいる。
地球規模から地球の歴史と一生の時間を同一視して、
今まで生きて来て一度も大きな危機に巡り会わなかったことに感謝して、ヤメタラ!
確かにエエ塩梅に空襲も特攻も無い平和な人生ではあるけど、半世紀程前とは違って
いろんなこと露骨に侵入して来る。
宇宙の果て、命も科学、万能細胞・・・
自由と喫煙の文明は滅び、合理主義・物質主義と科学だけの人類となっては、
今を生きてる少年少女は昔よりも冷酷に死の恐怖にさらされることになるぞ。
それを余程の狂信的宗教団体がまた狙っている。
ホーキング博士は、宇宙飛行士は、アインシュタインは、死を恐れていたろうか?
恐れるものか、百歳百歳、ご存命の100歳の老人の一生を
100人分集めて縦に並べたら1万年でエジプト展もビッくらけ〜。
尼寺へ、いや、ヤッホ〜YAHOOの知恵袋へ行け。
そうそう万能薬カッコント〜を飲んどきなさいと禁煙治療の医者に言われた。
糖尿も心配と言うと再びカッコント〜を飲んどきなさいと。

(6編)
タバコを思い出す数秒前に無意識に既に一服くわえている。
いつのまに?思い出す前だから制する術もありゃしない。
自分の決めたルールを誠実に守れんからといって
世の中が思いどおりにならんことに転嫁して嘆くことの愚。
会社で禁煙と家で禁煙とどっちがツラカろうか?
会社なら喫煙室で間接喫煙によって禁断症状を緩和できる。
こもるけむりにくるまれる頼りなき連帯感。
開放禁止の窓を正義漢たちよ、開け放て・・・
開けたん誰や?!
タールで閉ざされた口々からその犯人の名は決してもれない。
だが、呉越同舟を潔しとしたくない、嫌悪すべき奴の煙を間接喫煙することは拒否したい。
家では山の神の天変地異を受容するが如く戒律にひれ伏すか恩情にすがるか。
タスポをいろんな場所に隠しましょう。
カバン、タンス、冷蔵庫、会社の机、クルマの後部座席、・・・etc.
そのうち何処に隠したかを失念してしまう。それくらい自分がボケてることを自覚すれば
煙草自体の事も忘れてしまえる・・・かも。
辛抱強い自分、それは自分の本質が怠惰な性分だから。
タバコ買うのめんどうくせぇ〜〜〜〜〜
自分はものぐさ。そのことを自責。そして怠慢の罰金として400円を
会社の机の引出しに掘り込む・・・何ヶ月か経って
よ〜〜〜け貯まってる、コレでキタの花魁茶屋も夢でねぇ〜〜行こう!
入学・卒業・昇進とか、エれべスト登頂、彗星発見、世界征服とか
したつもり。虚偽の達成感、KARAの栄光(エ〜娘)を超越して解脱、
自分は仏様であると思え。
タバコ吸う俗市民たちを雲上より見下そう。
町々の貧疎な屋根屋根の煙突からタバコのケムリ立ちのぼる平安の世・・・ゲホゲホ。
あるいは、imagin(想像してごらん) for the peoples、
ひどい困窮、土瓶の底の海アマメのような辛い境遇、二度と覚醒しない叡智、
両手脚を失っても死ぬまで残る余命という長く暗い未来こそ
不幸の連鎖、負の酸っぱいラル(Spiral)、
O157入りハンバーグ好き、ミシン針入りあんパン男、
イワシの煮付けの小骨が老猫のゴロゴロ咽喉に2〜3本、
シケモクくわえタバコの労務者にも、ブルーフィルムの金髪白肌女にも
その紅唇には痛々しいほどに縦皺が何本も刻まれていた。
そんなん考えてたらできるのか、できないことか、葛藤、
葛藤なんて難かしい言葉を充てる程のことかいな、
ええこと閃いたってそんなん岡目八目、他人に言うな、恥じかくで〜。
どや顔で、ドャ! タバコどころやないやろ!

(7編)
タバコはアウトローの象徴的な小道具として欠かせない。
暗殺者のメロディのラストの一服は手がふるえていた、太陽に吠えろのボスの一本は事件解決、
パンツをはいた座頭一の禁煙中の世間にかまわぬブファ〜、リリーの一服、クソして一服、
傷だらけのショーケンのだらりとたれた血したたる指の間にも、蘇る金狼のきりっと噛むクチビルにも、
カサブランカのハンフリー・ボガートがくゆらせる紫煙、
ジェームス・ディーンも。
節煙で、銀幕のスターさえもその一服の幸福な演技の機会を奪われる悲劇に見舞われる。
禁煙という喜劇のロングランはブロードウェイの底の下水へ流そう。
墓に供える一服、折れた吸い殻で一服、よいとまけ〜の労働に置けるタバコふかして目を閉じりゃ〜、
美術の先生もつまらなそうな顔で一服、チンパンジーまでもが一服、
つまり、男とタバコのあるべき姿は孤立自尊の引きずる銀幕のシーンの綻びにあると言える。
次は、タバコはアウトローの象徴的な小道具として欠かせないということの実証とは真反対に。
たばこを吸わない偉人、イチロー、竜馬、イエスさまもオシャカさまも
たばこは吸わなかったぞ!(詳しくは知らんけど)
別に偉人でなくともスゴイ人、フリークライマー、山で一人キャンプ、
スカイダイバー、スキージャンパー、とび職、ロシアン・ルーレット、
墓守り、数学者、絶対音感、暗算・記憶・素数の達人、
などなど自分には100回生まれ変わっても決してできない尊敬に値する人達も
たばこは吸わんぞ!(中には吸う奴も居るか知れんけど)
でも同等でもないし、理想と現実のギャップってよく言うし・・・もぞもぞ。
どうすりゃいいの〜さ凡人は・・・主体的にルールの確立、どんな?
単純な事なら継続するのが得意、宣誓!自分の性質の特筆すべき長所は根性にあり。
夜9時に一服、10時半まではもう吸わん、
10時半が来るのを待つな、忘却、忘却、
11時に一服、12時半まではもう吸わん、
12時半が来るのを待つな、忘却、忘却、
誰にも一日は24時間あることがこの場合恨めしい。
あ〜〜また今宵も暴走族お出ましかい、何十年経ってもアイツラ普遍やな〜
あいつら代替わりしてる筈やのに同じ年嵩の腐れ小骨のような少年のまま
たむろしつつ何年も何人も湧き出してる、タバコも普遍やろ、
イライラしてはいかん、吸いたくなるぞ、
ホントに吸いたいか、ホントに吸いたいか、ホントに吸いたいかと
3回もカン、カン、カンと自問。
もう寝る時間、寝てまえ、寝てまえ、心頭滅却。
明朝の一服は至上の幸福と信じて。

(8編)
閉鎖病棟の鉄柵付きの窓から見える最後の一葉のように箱に残した最後の一本に
命の終焉、幕引きを託してしまえ。
心は秋風に揺らぎ迷える白ハトの羽毛のように震えている。
見てはならない有様、いたいけな彼と彼女の悪戯は続く。
離れの物置小屋の闇の隠れ家に二つずつガラス瞳は怯える子猫のそれの如く魅惑する。
其処に灯をあててはいけない。
無垢なカーキ色の葉っぱのヒダをケムリと化すことは自らに重く禁じられている、火遊び。
3つの力。努力、気力、体力の初等教育時の教え。能力は?いらんか?
今にして周りの姑息な手練手管を弄する御歴々の御後頭部を眺めやれば、つくづく判る。
隣家の軒下に雑種犬と汁マンマ、庭に祭り屋台で釣られて来た鶏が放し飼いなら安全。
隣家の夫婦がノミの夫婦で物干しにオシメの柔らかい行列なら安心・気楽。
家がカトリック教会の裏、小学校の校門の前なら快適。
家の玄関先がガキたちの遊び場なら、過去を埋めた土壌に予言される未来の実り。
今はパンツいっちょで3DKの一遇に座して、いい加減つくづく悟れよ、
タバコって何? 今はいらんもの。
ついにタバコ無しの初夜、長〜い夜。
マッチ売りの少女にとって一本のマッチの炎の暖かさ、風前の灯火の命。
タバコの火ではそうはいかない。
少年はたまに徹夜。遠赤外線の電気ストーブの赤〜い管に目を据えて
日曜日の深夜はオールナイト・ニッポンの放送が無いので長〜く怖〜い夜なべ。
白みかけた朝まで迎えた学徒の頭の中の単語や公式も白々と妄想と混ざって夜気に濡れ落ちている。
勇敢で偉かった。
だから今もタバコはいらん、だいの大人が慟哭したって
少年の頃にもどれるもんか?
ところで君、タバコって何色か知っとる?
白、黒、やはり灰色、葉っぱは茶色やな、火燈けたら赤、いやいや黄色や橙色にも見える。
そうそう煙は紫、ムラサキってロマンチックしとるな〜。いや〜ケムリは灰色、肺炎、排煙のハイ。
色はそもそも何か。
色は細胞に反射した光粒子の波長、それが人間のフィジカルな認識機能で選別され認知されるもの。
RGBの組み合わせの割合で反射してくるかがその物の色となる。
光は太陽から来るものだけではないな。反射ではなく物が燃焼しても光は造られる。
燃えて光を出す。つまりその物は小さくとも一個の太陽になったと思え。おおげさではない。
遥かに漠々・スパスパとして気・肺胞を膨張させれば、
燃えるタバコのように少年の未来もきっと光輝くものとなるだろう。
そして少年も今は老いた。記憶の力は微か、だから省略して本質だけにすがっている。
芸術の世界なら超越した抽象、ただの簡略化、そして消えない煙はないと
今は悟っている。


(9編)
大量のストックを眺めて飽き飽きとなるか、いや
しばらく続くことが保証された幸福感にひたるのか。
値上げのビックバ〜ンからもう5ヵ月程もタバコを買い物してへん。
タバコ屋の前通ってもそれに気付かんほど。
まだまだ余ってるから、5本イッペンに火を燈けて吸う・・・
チェッ マズゥ〜満身創痍・・・吸うことあたわず捨てる。
このストック無くなったらテレビしか残らんなぁ〜
サッカー勝った〜、さよならホームラン、
クライマックス、グランジュテ〜、テレビ観てればそんな時、
感涙、祝盃としてのイップクがやめられません。
年中カゼひいて微熱のハチマキ締めてもやめられません。
ならば何か祝う豊穣の時だけ吸おうと決めればいい。
でも普段なかなか嬉しいことは少ないもんな〜。別の努力も要るしよ〜。
強者なら念の一振りで消去、
エベレストにあるタバコ一本ほどの隙間なら雑事で埋められる。
煩雑で単調な作業が得意で変わらないことを良しとしているから、
出陣式とか いざ13階段へとか なかなか無いしな〜。
そうや、一日7〜8回ションベンするやろ、バンドルさせよう、
パブロフの犬の条件反射よろしく一服、つまり一日7〜8本に抑えられる・・・アホな。
明日は無いかも知れないという考えはまちがっていない。
明日の幸不幸は人によりけり、否、現れる結果はくじ引きの当たりハズレと同じ。
褒められる日になるかも、罪人になるかも、禁煙できるかも。

(10編)
最後に福沢諭吉を登場させて小説風に書いて出版。
その印税でタバコが買える・・・ほれ見てみろ、
実はタバコの問題ではなくて、諭吉札の枯渇の問題。
JTからナンボか貰えるならタイトルを「増煙のすすめ」にしたい・・・。
諭吉っさんは何と言ってた。
適熟で何を学んだ、演説で何を伝えた、
議論せよ、読書せよ、・・・・・・・ 厚顔無恥許すまじ、
自尊心を持って武士道精神も捨てるな・・・・段階的に進歩してゆけよ、
保身に走るな・・・にあらざれば・・・べからざる・・・なり、
「経済」という言葉を創ったて〜今、経済はこの世で一番大事やな〜。
ところで、契約社会に約束した訳でも無し、とてもとても(17編)までなんて書けんな〜
終わるか!?

(11編)
ウ〜ん復活・・・
科学技術庁の発表によると禁煙による禁断症状は100日後に表れるらしい。
その症状としては、体が軽く感じる、お花畑で踊る少女が観える、
おなかが空かない、目が回って頭の回転が良くなる、
いろいろ好いこと尽くし・・・
以上、嘘ぴょん。
マジョルカ島を訪れた時の話をしよう。
空、海、空港、海岸線、小麦色 娘 犬走る
フレンチ パン ワイン、
白い壁、ブランデー
満点の星夜 星座、
夜会のきらめき、メタルメッシュスーツ?なにそれ?
・・・・・・・・・・・・・・・・
どこにあるかも知らん。
ウソやめますか?
霊体離脱して行って来ましたと言いはれば嘘にならん。
タバコやめますか?
なら、ウソつきで結構!
ストレスたまる、なら初期化するで。
昔、橋の下には乞食の神様が住んでいました。
彼は双子の女の子を拾って育てました。マンナとカンナです。
天真爛漫に明るい双子は橋の下の両岸に向かい合って立ち朗らかに歌い、
その声は川の真中で光る玉塊となり、半分は水に溶け流れ、半分は分かれて風にあおられ吹き昇るのでした。
広い川床がみんな暗くなってからカラの壊れかけのリヤカーを牽いて年老いた乞食の神様は帰ってくる。
そんなただ馬齢を重ねるだけの歳月が流れるまま続いておりました。
ある寝苦しい熱帯夜、橋の上をネズミは走る、バッタが欄干に止る、いつもの夜、
橋の真中あたりから麻紐が一本、川面近くまで真っ直ぐ垂れ下がった。
その紐の先に乞食の神様の首がダラリと延びて止まっていたのです。
今日と明日の狭間で祈りは老いの不安を救えなかった。
残された娘たちは歌声の光る玉塊と同じように別れて、
一人はアバタのアオガエルが上流へ、もう一人は泥だらけのボラが下流へ、
それぞれ連れられて往き、それっきり見なくなってしまいました。
乞食の身の上で愛や夢を持ったがために背負い切れない程の現実の重さに耐え切れずに
守ってきた虚構の棲み家から逃れる道は宿命の破壊しかなかったのでありましょうか?
もしかしたらタバコの値上げのせいで、買えずモク拾いも思うように行かず、
辛かったのかも・・・近頃は河川敷一帯を縄張りにする愚連隊に
嫌がらせされたり小突かれたり追い立てられたりしていた乞食の神様、
自殺か?他殺か?神の恵みも止った今となってはウヤムヤです。
町の人々は時の移ろいのまどろみの中、欠伸をしてすぐに忘れてしまい、
犬のお巡りさんは役人ヅラして、猫の民生委員のオバサンは感情剥き出しにして、
もうただ吠えたり鳴いたりするばかりで、
ラヂオも泣く、タエガ〜ガータキヲタエェェ、シノビィ〜ィィガタキヲシノビー・・・
良く聴こえんぞ〜  どうもニッポンはタバコ戦争に負けたらしい。
値上げしたぞ、明日から禁煙だ!
今は、橋の下にトタン小屋はありません。
煙草の吸い殻一つ落ちておりません。
クリーンアップなんて冷たいものですね・・・。
今日も、
山をけずり幾多の村々を巡り橋をくぐって来て、拍手の白指の飛沫を立てて橋柱にクルクルまとわり遊ぶマンナ。
幾重の波を浜風と上流まで吹き上げて来て、起伏する胸の白肌を橋下に照り輝かしてポチャポチャと遊ぶカンナ。
川土手に腰を下ろして一服すれば観えたり聴こえたりして来る双子の神様の白昼の宴。
以上、やっぱりウソ話しをしたらスッ〜とした〜〜〜。



(12編)
中止、ヤメルのではなく先延ばし、順延。
なんやら面倒なことは容易に先延ばしばかりしてきたでしょ。
1時間が無理なら30分延期しなさいよ。
会議の開始時間が予定より1時間も遅れるとムカッとくるけど
20分程遅れるらしいと言われれば我慢してしまえるやろ。
さらに忘れっぽい奴や必ず少し遅刻して来る奴等なんかを今まで大勢見てきたし
あんたらもその類なら、そうこう考えてる間に1時間禁煙に成功、オメデト〜ゴザイマ〜ス。
タイマー付きシガレット・ケースないか、
3時間に一回一本 自動販売機のように飛び出てくる
30回に一回ぐらい出ないときもある。
吸うタバコが手許にあってガマンするのと
絶海の孤島とかでタバコが絶対的に無い所で吸えないのと
どっちがつらかろか、クダラン、クダラン、クダラン、クダラン、・・・
ボケてタバコを持参し忘れるなどは最低。外部から喫煙を疎外されるよりヒドイ。
男は子供だから自らの意思を持ってする決意でなければ受容し難く
知慧に叛く強制や指導はもっての外。
強靭なメンタルにより自己を収監するケースのみ可。
誰にでもヤメレナイ=譲れないものが一つ二つあるのが正常なんだから
ムリからヤメル義務とか無い。無い。無い。

(13編)
あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜なんやらコレ書くこと自体に飽きてキッタァ−織田裕二。
あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜煙やめますか?人やめますか?コレ書くことをやめたい。
平穏だがナンニモナイダイチニタダカゼガフイテタ。
ドラエモンたばこ〜、灰皿に吸い殻を立てておくと翌朝にはサラの一本に成長、
成長サイクル、コンナンでも今だ御静聴なら〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜コレ書く。
喫煙サイクルは一日のバイオリズムを支えている。
このサイクルを長周期にすることは、一日の時間は24時間よりも短くなる。
時間は重力で伸び縮みするらしい、ハチ鳥とゾウガメの時間は大夫モノサシが違うのだから、
過ぎた一日の時間の重みを軽く感じてしまう事にもなりかねない。
日常の過ぎ去りし遊歩道に辟易するほど長く引く歳月は点々と薄れても、
習慣の棚の上の神の次元にある愉楽のひと時としての一服のために、
今日も散歩する行雲流水の僧のジャージのポケットに御タバコ様の鎮座ましまする。

(14編)
タバコを吸えない時は詩でもひねれば、

 「クズ」

星屑は賞賛
オガクズは再利用
消しゴムくずは惨め
葛湯の効能、葛きり餅
細胞が粉砕
悉く崩れる、家が、会社が、街も国も
抗いようのない真実
放射能のクズによって絆が崩れる。
国が喪失したって、人は人の上に立ちたがる。
カスはクズの下でも立ちたがる。
カスは赤いションベンをしても笑ってる。
カスはタバコの煙となって記憶の庭に漂い来る。
「絆」の危機!

そんなこんなで「諭吉様」にも縁が無い。
自然の法則は均衡である。
人の社会は歪や格差をもろともせずに
至福の一極へ暗黒惑星化してゆく。
組織の根底には非合理がある、
そうでないと成り立たない。
しかしながら個人は本能的に完璧を目指そうとする。
独立心を持って自分を制し自分の心のままという矛盾を背負っても尚
民主主義の名の下、責任と社会性を一番に理想郷を実現しよう。
若い君らにも孤高を貫いてほしいがムリでしょう。
なに、サムっ、アツっ、コワってか、通じないかも知れないけど、
作者は辛酸をなめて暮らす方を選ぶ事にするから。
言い訳ではない、人も蟻と同じ。個は部分なのである、役割、立ち位置は決定済み。
ちょうどいいくらいの貧乏にカンパーイ。
小沢一郎は破壊、田中角栄は建造、他は働き蟻、そうでない自分は頽廃へ。

(15編)
未来を想えばヤメラレナクナル。過去に吸った本数は、そのボタ山は、肺に。
過去を採鉱(再考)する。A型なら過去に生きるタイプだから容易。
些末な事柄が億劫、屈託のアル日常、なにかドラスティックなこと勃発して終止符を打つのか。
タバコは男の弱み、バッジや名刺も貯金も懐にしのばせる刃物と同じ、人の弱みを表している。
弱みだからこそ乗り越えられない、捨てられない、ヤメラレナイ、止まらないカッパ・エビセン・・・。
成人病検診後、バリウムの腹へ今日の初一服、効っく〜。

(16編)
誉れ・勇気・高潔などは存在するらしいが確認できない暗黒物質。
確認されてないが言葉は生まれた。
先人の知恵によるが無責任、人の脳ミソには自由勝手なフレスコ画が描けることに驚嘆。
しかし意地・ド根性・嫉妬・傲慢は存在する。自身で確認済みだから。
師曰く、師のたまわく、君子あやうきに近寄らずなど言葉は格言となって噴出。
教養無いから自分は殆んど被害を受けなかった・・・ローソンがあって良かった、
トイレを貸してくれなかったローソン、便意で頭の芯まで朦朧とする程だったのに。
やっぱファミマの勝利。

(17編)
むかしの大酒飲みがメシを喰わなかった様に
タバコ呑みもメシの替わりの一服で済ますという芸当ができんものか。
タバコ、きらい、きらい、クライ、具合わるい、具合わるい、グワァ〜、
もういらん、もういらん、イラン、イラク、バクダット。
元気が失せれば吸いたくなくなるか、
元気が無い位のことは別に暮しに困ることでもないし。
だんだん、段々畑の文章の苗床も荒れ放題となってきたよ。
アカ〜ン、逮捕〜〜〜 御用だ御用だ 心臓イタイ!!!
この所の節電ブームで事務所アツ〜・・・と
一番涼しいのが閉鎖病棟の喫煙ルームと来てる。
そこで伏流煙をたっぷり間接喫煙の日々、
オモイクソ大自然吸引してるから肺が心臓が・・・
健康=長生きのためたら禁煙賛成、自己納得、
自分で進んで禁煙するなら腹も立たん。
自分の命とタバコの天秤、
罪と罰の天秤?なんかそんな裸の天秤棒担いだギリシャの神様おったっけ?
それでも・・・閻魔様の裁きを待とか。よほどのモノグサにカンペ〜〜〜。
そもそも誰にも訪れる老化という幕引きの序章にすぎないのかも。
老化は自然。自然が我命を支配している。
自然もとりよう、大木を新鮮な木炭と思え。
歳月はハートに落書きを残すだけではない、フィジカルに対しては容赦なく打ちのめそうと
強度を増して繰返し襲って来ては退く岩場の波の様。
身長とか3cmも縮むというのだからアバラや上腕二討キンも胸筋も収縮し
タガも弛んで細胞バブルも揮発し弾力も失われれば心臓や肺がひきつり起こすのもやむを得なかろう。

(18編)
「学問のすすめ」よりも一編でも多く。
1世紀半も前に、国民全体に社会の活性化、批判精神、
実学をもって行動に現わせと説き、
惑わず科学知識を得て西洋列強からの植民地化を逃れ、
日本文化・歴史を守ったその人、その人々。
本読みだけでよければ楽。
人の話しや人のこうなりああなりを内容を理解しながら見聞きするのはしんどい。
そういう場面では感心するよりも何かと反論や揚げ足取りに注力しがちとなる。
文章を愛でるだけがやはり愉しい。
大きな内容というか主題は二の次で、現れる単語や短いコピー文句の発見だけに狂喜したり
漢字の書き取りが苦手だったトラウマのせいか、
必要もないのに幾つも邂逅する難しい漢字を心指で四〜五回もなぞったりだけの読書なら楽。
行にシリアルにページにシンプルに無音の字面に首から上だけ奉仕しての本読み。
幸之助は本読みになったらアカンと言うた。
諭吉も読書をススメていたが実学あってのススメを主張。
実学やいうても狭いよ。宇宙の無限をワシにもわかるように書いた本はおまへんか。
結局、科学も学問も行き詰まると宗教化するな〜。
ならばお経か、あまり読む気はしないでしょう。
古いし。古いものの上に古いものは作るな・・・本買う?
遠の昔に著作権切れ、インターネットでも読めるから買わない。
インターネットってか〜世はJTいやIT全盛、
ITの世界を鳥瞰してはいかん、見誤る、大は小を兼ねるは過誤、
小つまり実存する事物の最小構成単位は?その一つが一本のタバコ、
ソレヨリ小ナルモノハ無い、その小を積み上げ単純ロジックでもって
本質も万能なる粒子も見捨ててしまって
バグを積み重ねて人類は禁煙という無限大のビッグ・エラーに到ってしまった。
大は小を兼ねることはできない。
物欲から清心の時代へ、群衆から孤高へ、混迷の時代。
「学問のすすめ」を読む前に
タバコ値上げ反対運動を起こそう。
その前にイップク、ニフク、サンプク、なんか文句あります?
たとえ早死にしても決してタバコのせいではない。タバコがあって良かった〜。
最後に、倦煙とは吸い飽きるほど喫えということで、
プッファ〜〜〜グッバ〜い。



















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